脊髄腫瘍

igaiga-99

脊髄腫瘍

脊髄腫瘍は、おおよその発生頻度は年間人口10万人あたり1~2人程度と極めて稀な疾患です。発生場所は、脊髄を包む膜(硬膜)を境界として、硬膜の外側(硬膜外)および内側(硬膜内)に大きく分類されます。硬膜内腫瘍は、さらに脊髄内部から発生する髄内腫瘍と、脊髄周囲から発生する髄外腫瘍に分類されます。

・髄内腫瘍上衣腫、星細胞腫、血管芽腫、海綿状血管腫など
・髄外腫瘍神経鞘腫、髄膜腫など
・硬膜外腫瘍転移性腫瘍、悪性リンパ腫など

 

腫瘍の大きさや部位、組織型(良性、悪性など)によって、神経症状の進行度や手術難易度が大きく異なります。CTおよびMRI検査により適切な診断を行い、手術治療可能かどうかを決定します。手術治療では、腫瘍の存在部位により腫瘍への到達方法を検討し、顕微鏡下にて慎重に腫瘍を摘出します。腫瘍摘出後は、腫瘍の病理検査結果により放射線治療や抗がん剤治療を追加するかどうかを決定します。
当教室では、脊髄腫瘍のなかでも特に繊細な手術操作を要求される脊髄髄内腫瘍に対しては、先代から蓄積されてきた数多くの手術ノウハウをもとにし、さらに新しい技術(神経モニタリングや術中蛍光造影など)を取り入れ、難易度の高い手術をより安全に行うことで、現在も日本有数の実績を誇っています。

 

脊髄髄内腫瘍(上衣腫):術前・後

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